岐阜基地航空祭

岐阜基地で年に一度行われる航空祭。多くの人が訪れ、迫力ある飛行機のアクロバットや展示が行われ、普段は見ることのできない軍用機が見学できることから、親子連れや航空ファンたちが賑わっていた。

ある年、航空祭の最終日に、夕刻から行われるナイトフライトが特に期待されていた。夜空に浮かぶ軍用機のライトショーは、迫力満点で観客を魅了するものとされていた。

その日、夜の航空祭が始まると、派手な花火や輝くライトで飛行機たちが空中で美しいアクロバットを披露していった。しかし、ナイトフライトが始まると、観客たちの中で不穏な空気が漂い始めた。

飛行機たちは次第に高度を上げ、謎めいた光を放って夜空を舞台に航空ショーが繰り広げられた。しかし、その中で一機の飛行機だけが異様な存在感を放っていた。漆黒の塗装に覆われ、まるで夜空に紛れ込んでいるかのように見えた。

観客の一部はその飛行機の存在に気づき、その機体が通り過ぎるときには寒気が走ると言った。その飛行機は急速に高度を上げ、暗闇に消えていくかのように見えたが、再び現れると、奇妙な形のオレンジ色の光をまとっていた。

その瞬間、観客の中からは異音や不気味な声が聞こえ始め、一部の人たちはその光に引き寄せられるようにして、無自覚に歩み寄っていった。目を輝かせ、何者かの呼び声に応えるように。

そして、航空祭の終了後、その飛行機は一瞬で姿を消し、その不気味な光とともに、引き寄せられた人々も行方不明となったという噂が立ち、航空祭の後、岐阜基地は一層神秘的で怖い場所とされるようになったと言われています。

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